
金融機関は債務者が返済できなくなる危険を担保する物を要求します。
保証人を立てるような人的担保と、不動産や自動車、あるいは預金等の物的担保です。
担保として日本でよく利用されるものに不動産の抵当権があります。土地は下がらない、
価値として安全であるという「土地神話」が通用していた高度成長期には不動産の担保が絶対とも言えたものです。
しかし、バブル崩壊後は不動産にも収益力が重視されました。収益価格が高いかは、商業地の物件には重要です。また、土地神話の崩壊は不動産によって利用価値の差があり、利用できる物件は価値が高く、利用可能性が低いものは換金性も低いことになりました。不動産も一般の財産と同様にすぐに利用できるものが人気があり、人気のない物件は売れないことになりました。更に将来の予測が難しくなるに連れ、長期の予測でなく10年くらいまでの期間予測に応じ、収益力を考えるようになりました。短期間の収益力なら、物件を買って資金を固定化するよりも、地主から土地を借りて利用することが多くなりました。賃借する期間で採算性を考え、万が一収益が予想よりも低ければすぐに撤退できる身軽さを狙っています。
不動産はそれぞれ、地域的特性が大きく違いますから、その不動産の地理的条件や将来正当、不動産の個別的条件によっても価値が変化します。その不動産をどう利用していくか、それによって価値がどう変わるかをアドバイスするのも不動産の専門家である不動産鑑定士の仕事です。