
多くの中古住宅は、住める状態であっても不動産市場ではあまり流通価値を見られない。
木造住宅は20年を過ぎると価値がゼロ、不動産として売れる金額は土地値相当とされてしまう。
日本人特有の新品(バージン)信仰も影響しているようだ。
確かに、誰かが使っていた中古品には、何らかの怨念がこもっているのかもしれない。
戦後、高度成長期に育ち、工場で作られている大量生産品を使うことに馴らされてしまった日本人には、
住宅も規格品として理解しているのだろう。
かつての日本人は、ものを大事に使っていた。
着物は使えなくなっても仕立て直しをし、子供の着物にした。ぼろになると手ぬぐいに、そしておしめになり、鼻緒にもなった。
織った繊維はぼろとして朽ちるまで何度も再生して利用された。
建物だけが再生されない理由は無い。
骨格、構造は大きく変えなくても建物の仕様や設備を現代風にアレンジした生活様式は可能の筈。
使い捨ての時代から、再生(リユース)の時代に進むのは省エネ、自然との共生を考えれば当然のことだろう。