
相続税の基礎控除額が下がったことと、これまでに税率が下げられたことから、資産を持つ中間層の負担が大きくなってきた、と言える。
相続人1人当たり1億円を超える人の平均財産額と、相続税申告者全員の平均財産額を示したグラフである。
これを見ると1億円超の人はバブル以前の水準まで下がっていることが分かるが、全申告者ではそこまで下がっていない。
むしろ、1975年以前、あるいはオイルショック以前には庶民には財産があまりなかった。相続税申告対象者になっても、ほとんどゼロに近かった。
それが、バブル期に上昇し、資産家に近い中間層が増えたため、1億円超の人と100万円くらいしか差ができなくなった。
そして、地価の下落。
今、資産家との差額は50万円ほど。
広く浅く相続税を掛けている、と言うべきなのか、
それとも、多くの資産を持つ人が海外に移転して、資産家全体が国内から減少しているのだろうか。